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2014年5月6日 北大西洋理事会

安倍首相演説(一部)
アジア太平洋地域では、近年軍事費や武器輸入が大幅増加しています。特に、中国の対外姿勢、軍事動向については、我が国を含む、国際社会の懸念事項となっています。
冷戦がまさに終結せんとする時から今日に至るまで、ほぼ一貫して軍事費を毎年10%以上伸ばし続け、26年間で40倍に拡大している。最近の10年間でも、日本の防衛予算が-1.2%なのに対し、4倍に軍事費を拡大しています。そして、その額は、NATOの主要加盟国である英、仏、独の軍事費の合計にほぼ匹敵します。しかも、その軍事費の拡大は、内訳が明らかにされない、不透明な形で行われています。
こうした状況に対応し、東南アジア諸国も軍事費を増加させており、この10年で1.8倍に伸びています。
アジア太平洋地域のパワーバランスが急速に変化し、安全保障面での緊張が高まっている現実がここにあります。この地域の不安定化要因とならないよう、武器及び機微な汎用品の厳格な輸出管理をあらためて強く訴えます。
日本にとって、アジア太平洋地域の平和と繁栄の実現は最優先課題です。そのために建設的役割を果たそうとするいかなる国とも協力していきます。 
同時に、日本は、「法の支配」を堅持し、航行の自由を始めとする海洋秩序や上空飛行の自由を擁護していきます。それこそが、アジア太平洋地域の平和と繁栄を確保していく唯一の道である。そう信じているからです。
国際社会と協力して、地域や世界の平和を確保する。そのために、日本として、これまで以上に積極的な役割を果たす意思と能力があります。
そして、現在、憲法と集団的自衛権、集団安全保障、PKOなどとの関係について、議論を進めています。
例えば、現在の憲法解釈では、ミサイル防衛のため、日本近海の公海で警戒に当たっている米軍のイージス艦が攻撃を受けたとしても、自衛隊はこれを守ることができません。単に見過ごすしかできない。それでよいのでしょうか。
NATO加盟国と同じPKOに参加する自衛隊は、NATO加盟国の部隊がゲリラに襲われても、駆け付けて警護することができません。自衛隊は、NATOの部隊に警護してもらえるにもかかわらずです。果たして、それでよいのでしょうか。
こうした点について、私のもとで、有識者による議論を積み重ねてきました。その報告を受けて、今後、世界の平和と安定のために、日本は、どのような貢献をなすべきか、そして、いかなる貢献が可能なのか、そのためには、どのような法整備をなすべきか。政府としての方針をまとめたいと考えています。

出典:首相官邸HP(http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/0506nato_enzetsu.html)

(私の感想)
3ヶ所引用しました。
まず最初の引用部分は中国批判です。
「軍事費を増加させている」と言ってますが、日本も安倍政権になって防衛費はずっと増額中ですね。
「この地域の不安定化要因とならないよう、武器及び機微な汎用品の厳格な輸出管理をあらためて強く訴えます。」というのも
日本は武器輸出3原則を「防衛装備移転三原則」に変え、前よりも格段に輸出しやすくしてますよね。
他人の事言う前に、我が身を見直さなくてはいけないのでは?
本来憲法9条を前面に出して世界中を巻き込んで批判できるはずなんですが、自ら9条を骨抜きにしようとしているんだから無理か。

そして2つ目の引用部分は私が前々からちょっと気になっている点の個人的な覚え書きみたいなものです。
よく安倍首相は「法の支配」という言葉を、このような文脈で使うんですが、なんか違う気がするんですよね。
憲法の本を読んでいると「法の支配」という言葉をたまに見るのですが、これは立憲主義に絡んでるような。。
安倍首相が使うときの文脈は国際法とかの法律による支配と読めて、なんか違うんじゃないかなぁと思うものの、
これはもう少し勉強しないと分からないです。

そして3つ目の引用は集団的自衛権についてですね。
「PKOでNATO部隊に警護してもらっているのにNATO加盟国の部隊がゲリラに襲われても駆けつけて警護できない」
と言ってますが、だとしたらそもそもPKOに自衛隊が参加してもいいのか?という議論から始めるべきなのではないでしょうか。
日本は憲法で

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

とうたった上で9条を持っているわけですから、その精神に則った国際貢献を考えるのが本来あるべき姿だと思います。

新規作成:2014/05/11
最終更新:2014/05/11