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第99条 憲法尊重擁護の義務

天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
■憲法は誰のためのもの?
まずはここからスタート。
ここで「憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」人々の中に『国民』が入っていないのがポイントです。
それにしても、この条項にあからさまに違反している公務員が最近えらく目立ってますねぇ。
国会議員にはまずこの条文をしっかりと読んでもらいたいもんです。

さてさて、[憲法]と[法律]の違いがここにあります。
詳細は後述しますが、
『国家権力』が作成した[法律]は『国民』の権利と自由を制限し、
[憲法]は『国家権力』を制限します。

『国家権力』(もちろん国会議員も含みます)が改憲を主張しているとき、それは自分の「足かせ」を外そうとしているのです。
決してこの視点を忘れてはいけないと思います。

[法律]は国民が選んだ『国会議員』が国会で作り、その内容は『国民』の権利や自由を制限するものです。
では『国民』が選んだ『国会議員』はどんな法律を制定してもよいのでしょうか?
そもそも、「国家を統治」することはすなわち「権力の行使」です。
『国家権力』には逮捕権もありますし、死刑という形で人の命を奪う事も許されています。戦争だって始められます。
そんな絶大な力を持つ『国家権力』が好き勝手な事を始めると大変です。

『国家権力』は暴走する、その暴走の裏には『国民』の暴走もある、
というのはこれまでの歴史が物語っています。

民主主義は本来、多数派が「数」でねじ伏せるものではなく、多数派と少数派が十分議論した上での多数決なはずなのですが、
そうなっていないのは今の国会を見れば明らか。。。

そこで[憲法]です。
99条で『国家権力』が好き勝手な事をしないように歯止めをかけています。
[憲法]は『国民』に向けられたものではなく、『国家権力』の側に対して向けられているのです。

とすると、『国家権力』にとって[憲法]は本質的に邪魔なんです。
自分の行動を制限している訳ですから。。
改憲を考えるとき
「誰が、何のために」改憲したがっているのか?
をしっかり確認する必要があります。

参考図書)
書名 著者 出版社
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伊藤真の憲法入門 伊藤真 日本評論社
日本国憲法の論点 伊藤真 トランスビュー
いま知りたい日本国憲法 東京新聞政治部 講談社


新規作成:2013/10/06
最終更新:2013/10/06
(旧ブログ初掲載:2012/11/25)